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ガンテツパイル(鋼管ソイルセメント杭)の設計について


1.概 要

ガンテツパイル(鋼管ソイルセメント杭)は、現地盤の土にセメントミルクを注入・混合撹拌して築造した
ソイルセメント柱に、ソイルセメント柱の築造と同時または後から外面突起(リブ)付き鋼管を沈設して一
体化を図った合成杭である(図−1,2)。
ガンテツパイル工法は(財)国土技術研究センターの一般土木工法・審査証明(技審証第15号)を
取得しており、多くの載荷試験等からその支持力特性が明確化され、施工管理手法も確立された
工法である。これらの実績から、今回の道路橋示方書・同解説の改訂において新杭工法の一つとし
て取り上げられることとなった。

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 図−1 ガンテツパイルの概要図  図−2 外面突起(リブ)付き鋼管

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2.特 長

ガンテツパイル(鋼管ソイルセメント杭)は、その優れた支持力特性と環境性能から、従来工法に
比べてコスト縮減の大きな可能性を秘めた、新時代の杭工法である。

(1) 設発生土が少ない低振動・低騒音工法 →環境に優しい工法

現地盤の土を杭体の一部(ソイルセメント)として活用するため、場所打ちコンクリート杭
に比べ建設発生土を大幅に低減することが可能である。また、杭工法の中でも最も低振動・低
騒音の工法であり、市街地での施工にも適した工法である。
(2)高い支持力性能を発揮 →杭本数の低減、杭径の小径化、フーチングのコンパクト化
現地盤を緩めない工法であり、ソイルセメント柱の径を杭径(設計径)として設計できるた
め、従来の杭に比べて優れた支持力性能を発揮する。

(3)高品質・高能率 →施工効率の向上
工場品質の鋼管を使用するとともに、IT化された施工管理システムにより、高品質な杭体
築造を実現している。また、場所打ちコンクリート杭に比べ施工工期を大幅に短縮することが
可能である。

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3.設 計

ガンテツパイル(鋼管ソイルセメント杭)を用いた基礎の設計の考え方は、基本的に一般の杭
基礎の設計法と同じである。鋼管ソイルセメント杭特有の部分は以下のとおりである。

(1) 鉛直支持力

 地盤から決まる極限支持力Ruは次式により算出する。

Ru=qd・Asc+U狽kifi  ・・・・・・・・・・・・・・(式−3.1)
ここに、
 Ru : 地盤から決まる杭の極限支持力(kN)
 Asc : 杭先端面積(ソイルセメント柱断面積)(m2)
 qd : 杭先端における単位面積あたりの極限支持力度(kN/m2)
 U : 杭の周長(ソイルセメント柱の周長)(m)
 Li : 周面摩擦力を考慮する層の層厚(m)
 fi : 周面摩擦力を考慮する層の最大周面摩擦力度(kN/m2)
杭先端の極限支持力度qd
砂 層 : 150N(≦7500kN/m2)
砂礫層 : 200N(≦10000kN/m2)
ここに、N:先端地盤のN値
最大周面摩擦力度fi
砂質土 : 10N(≦200kN/m2)
粘性土 : Cまたは10N(≦200kN/m2)

※これまで、ガンテツパイルの最大周面摩擦力度は技術審査証明により、
砂質土:5N(≦200kN/m2)、粘性土:Cまたは10N(≦150kN/m2)であった
が、今回の道示改訂で各杭種の支持力推定式の精度、載荷試験実績等
を考慮し、上記の値に見直しが行われた。従って今後は道示の式を採用
するものとする。


図−3 鋼管ソイルセメント杭の杭先端極限支持力度
   


図−4 鋼管ソイルセメント杭の最大周面摩擦力度

   

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<支持力の比較例>
表−1の地盤条件で、ガンテツパイル(鋼管ソイルセメント杭)と他杭種との地盤から決ま
る極限支持力および極限引抜き力を比較した結果を表−2に示す。ガンテツパイルはソイル
セメント柱径を杭径とし、大きな支持力性能を発揮する。
※場所打ち杭に対し、1〜2ランク小径のガンテツパイルで同等以上の支持力性能を発揮
する。このため、フーチングのコンパクト化も図ることが可能であり、経済設計が出来る。

表−1 比較設計に用いた地盤条件

層圧(m) N値 備考
粘性土 10
砂質土 10 20
砂質土 1.5 50 支持層


表−2 各杭の支持力比較例

鋼管ソイルセメント杭 中掘り杭 場所打ち杭
杭径 φ1200/1000 φ1000/800 φ1000 φ1500 φ1200
極限支持力Ru (kN) 19038 14687 8875 13784 10179
比率 1.87 1.44 0.87 1.35 1.00
極限引抜き力Pu (kN) 10556 8796 2985 8482 6786
比率 1.56 1.30 0.44 1.25 1.00

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(2)水平方向地盤反力係数
  水平方向地盤反力係数の算出は、次式を用いる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・(式−3.2)
 ここに、
 kH :水平方向地盤反力係数(kN/m3
 kH0 :直径0.3mの剛体円盤による平板載荷試験の値に相当する水平方向
    地盤反力係数(kN/m3)で、各種土質試験・調査により求めた変形係
    数から推定する場合は、式−3.3により求める。

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・(式−3.3)

α :地盤反力係数の推定に用いる係数
E0 :設計の対象とする位置での地盤変形係数(kN/m2
Dsc :杭径(ソイルセメント柱径)(m)
β :杭の特性値(m-1
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・(式−3.4)

EI :鋼管の曲げ剛性(kN・m2
 ※杭の曲げ剛性は、鋼管とソイルセメントの曲げ剛性の和として
  あらわせるが、一般にはソイルセメントの曲げ剛性は小さいの
  で、鋼管のみの曲げ剛性で評価してよい。

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(3)杭の軸方向バネ定数

鋼管ソイルセメント 杭の軸方向バネ定数は次式で求める。
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(式−3.5)
ここに、
Kv : 杭の軸方向バネ定数(kN/m)
Asp : 鋼管(杭頭部)の純断面積(m2)
Esp : 鋼管のヤング係数(kN/m2)
Asc : ソイルセメント柱の純断面積(m2)
Esc  : ソイルセメントの変形係数(kN/m2) (ESC=500000 kN/m2
L : 杭長(m)

係数aは次式で求める。

  ・・・・・・・・・・・・・・・・(式−3.6)




図−5 a〜L/Dscの関係

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(4)許容変位の緩和

鋼管ソイルセメント杭は、高い鉛直支持力性能を有しており、応力部材に剛性の小さな鋼管
を使用しているためにレベル1地震時に対する照査で許容変位量を杭径の1%または15mm
に抑えると、鉛直支持力及び杭体応力度に大きな余裕が生じ不経済となる場合が多い。
このような場合は鋼管杭基礎の設計に準じ、水平変位の制限を緩和して設計するのが良い。
具体的には、N値4程度以下の粘性土地盤または液状化の可能性のある地盤において、
ソイルセメント径の3.5%程度を目安として地盤の非線形性を考慮した杭ラーメンモデルで照査する。

(5)許容変位を緩和した場合の比較設計例

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4.比較結果

設計条件 鋼管ソイルセメント杭 場所打ち杭
許容変位量15mm 許容変位量緩和
(ソイルセメント径の3.5%)



杭配置




鋼管ソイルセメント杭:杭径/鋼管径



φ1000/800×t20/14/11

SKK400  12set


φ1000/800×t18/12/9

SKK490  9set

φ1200
鉄筋SD345 D29-24
12set
レベル1地震時 橋軸方向 (%) 直角方向 (%) 橋軸方向 (%) 直角方向 (%) 橋軸方向 (%) 直角方向 (%)



最大軸力 Pmax(kN) 3470.3
(61)
3464.1
(61)
4432.5
(78)
5007.6
(88)
3435.3
(91)
3425.1
(91)
(許容値) Ra(kN) 5709.0 5709.0  5709.0 5709.0 3759.0 3759.0
最小軸力 Pmin(kN) -791.5
(35)
-785.3
(35)
-1098.8
(49)
-1676.3
(74)
-457.8
(21)
-447.5
(21)
(許容値) Pa(kN) -2254.0 -2254.0 -2254.0 -2254.0 -2160.0 -2160.0
最大応力度 σmax(N/mm2 150.0
(71)
149.0
(71)
241.1
(86)
271.8
(97)
215.0
(72)
256.0
(85)
(許容値) σa(N/mm2 210.0  210.0 280.0 280.0 300.0 300.0
水平変位量 δ(mm)   14.9
(99)
14.2
(95)
19.8
(62)
22.6
(71)
11.9
(79)
11.4
(86)
(許容値) δa(mm) 15.0  15.0 35.0 35.0 15.0 15.0
レベル1地震時 橋軸方向 直角方向 橋軸方向    直角方向 橋軸方向 直角方向
橋軸方向  (KN・m)
基礎の耐力照査結果
M=1422  (79)
<My=1824 OK
μ=1.37 (34)
<4  OK
M=2153  (98)
<My=2193 OK
μ=1.55 (39)
<4  OK
M=1737 (85)
<My=2039 OK
μ=1.32 (33)
<4  OK
直角方向  (KN)
応答塑性率の照査結果
R=6047  (55)
<Ru=10927 OK
θ=0.0041 (21)
<0.02  OK
R=8044  (61)
<Ru=13139  OK
θ=0.01403(70)
<0.02  OK
R=5568  (67)
<Ru=8294 OK
θ=0.0019(10)
<0.02  OK
施行費 フーチング工
(千円)
6650 4900 9576
残土処理費
(千円)
424 318 2036
杭施工費(材料費含む)
(千円)
23610 17520 16200
合計(千円) 30684 22738 27812
比率 1.10 0.82 1.00
基礎の決定要因 レベル1地震時の変位
レベル2地震時の基礎の耐力 レベル1地震時の支持力
備考 ・支持力や応力度は、
許容値の60〜70程度と
余裕があり、経済的な設
計となっていない。

・レベル1地震時の許容変位を緩和
したことにより、レベル2地震時の基
礎の耐力で決定。
・支持力や応力度は許容値の80〜
90%程度となり、杭体の保有する
本来の性能を活かした設計が可能。
 

※施工単価 : フーチング工40,000(円/m 3 )、残土処理工5,000(円/m)、場所打ち杭45,000(円/m)
          鋼管ソイルセメント杭65,000(円/m)



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